健康への道しるべ

内容の補足 (より深い理解のために)

第16章 睡眠

1 メラトニン産生

 体内時計については、第8章(p■■)で説明しました。
 この体内時計の中枢(SCN 視交叉上核)は、神経やホルモンを通じて全身に影響を及ぼしますが、その最も重要なものの1つが、すぐ近くの松果体という部位から分泌されるメラトニンという物質(ホルモン)です。
 暗くなるとメラトニンが分泌され血液など様々な体液を通じて全身をめぐりますが、これは眠気だけでなく、記憶の固定・抗酸化物質としての働きも担っています。
メラトニン生成の化学反応は簡略化すると以下のようになります。

明るい光のもとでは、①の反応はよく進むのですが、②の反応は進みません。②の反応は暗くなることで進みます。このように、昼間は光をいっぱい浴びてセロトニンを貯めておいて、夜は暗くなることで、メラトニンが増加し、眠くなるというわけです。
昼間は光をいっぱい浴びて、夜になると暗くする。これがよい睡眠の第一歩です。