健康への道しるべ

内容の補足 (より深い理解のために)

2-1 高血圧

3 研究(1) [1]

 61の観察研究をまとめたメタ解析(まとめ研究)ですが、個々の参加者のデータを集めたプール解析(※1)を行った共同研究です。
 (共同研究者の名前は列挙されてますが、国名の記載はありません)
参加者 100万人を平均 12.7年追跡し、脳心血管病での死亡 5.6万人について解析しています。(脳心血管病以外での死亡は 6.6万人) 脳心血管病の内訳は、脳卒中 1.2万人, 虚血性心疾患 3.4万人, その他 1万人 です。
収縮期血圧 120-180mmHg の範囲内で、40-69歳の年令層では、収縮期血圧が 20mmHg 上がるごとに、脳卒中による死亡 2倍強、虚血性心疾患による死亡 2倍、他の心血管系の死亡 2倍 の増加が見られます。
80歳以上でも、同様の増加が見られますが、上昇の程度は少ない。
※1 プール解析

メタ解析と呼ばれるまとめ研究は、多くは結果だけをまとめたものです。
それに対して、プール解析と呼ばれるものは、個々人のデータ(年齢・血圧・生活習慣など)を各研究者が持ち寄って統合したものなので、すっきりした統計・解析をすることができます。


参考文献
[1] Prospective Studies Collaboration

Age-specific relevance of usual blood pressure to vascular mortality: a meta-analysis of individual data for one million adults in 61 prospective studies
Lancet. 2002;360:1903–13