内容の補足 (より深い理解のために)
17 食事様式
2 糖質制限の危険性に対する反論
・心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中など) のリスク因子である中性脂肪やコレステロールに対する良い影響が
あるのはまちがいない[1]。
・炭水化物の摂取を減らした分の穴埋めである、脂質・タンパク膝の増加を、動物性でなく、植物性にする
と、諸研究ではリスクが増大しない[49]。
・人類の長い歴史の中で、炭水化物をこんなにも食べるようになったのは、ごく最近。「炭水化物を少しし
か食べない」ことの方が自然である[49]。
・糖質制限食のデメリットはあったとしても、糖尿病では「血糖値を下げる」という明確なメリットがある
ので、相殺できるのではないか[3]。
いずれも、それなりにの説得力があり、特に最後の反論は最もそのように思います。しかし、現在までの知 見を眺めてみると、現時点では、「はい。そうですか。」とも言いにくいように思います。
<参考文献>
[1] Wheatley SD
Low Carbohydrate Dietary Approaches for People With Type 2 Diabetes—A Narrative Review
Front Nutr. 2021; 8: 687658
[2] Feinman RD
Re-evaluating low-carbohydrate diets and mortality
Lancet Public Health. 2022 Jul;7(7):e581
※この論文は、下記 [4]■■[L58] に対する批判の論文ですが、一般化してここに記しました。
[3] 糖尿病専門医のホームページの記述より (URL は忘れました)
[4] Seidelmann SB
Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
Lancet Public Health. 2018 Sep;3(9):e419-e428